〈Summer read〉4大監査法人トップが選んだ一冊

Summer read 2022(後編)

夏のオススメ本を紹介する「Summer read 2022」。後編は、会計監査の世界で「BIG4(ビッグ4)」と呼ばれる4大監査法人のトップに推薦書を聞いてみた。日本企業の情報開示において重要な役割を担う監査法人の経営者はどんな本を選んだのか。(書籍名の後に推薦理由などコメント。前編「ネット銀行トップが選んだ一冊」は7月17日公開)

片倉正美 EY新日本監査法人理事長

◆「新しい資本主義」のアカウンティング(スズキトモ/中央経済社)

「利益の最大化」から「付加価値の適正分配」へのシフトによる日本発の新しい資本主義の形として、DS(付加価値分配計算書Distribution Statement)経営を提唱。国民経済の健全な発展に寄与する使命を持つ公認会計士として、企業の行動変容を促し、幸福感を伴う経済成長を予感させる本書に注目している。

大久保孝一 監査法人トーマツ包括代表

◆現代語訳 論語と算盤 (著・渋沢栄一、訳・守屋淳/筑摩書房)

長年「監査」という公益に資する仕事に携わり、「監査法人」の社会的役割を考えて生きてきた。一人の社会人として多様な方々とお付き合いをする中で、道徳、倫理に裏付けられた言動を愚直に続けていくことの重要性を日々実感している。原点に立ち戻りたいときに手に取る一冊。

森俊哉 あずさ監査法人理事長

◆責任と判断(著・ハンナ・アレント、編・ジェローム・コーン、訳・中山元/筑摩書房)

ソクラテス、プラトンにも触れながら、思考と悪の関係を考察している。特に、「空気」に弱い日本人として、組織の習慣的論理を言い訳にせずに、個人としての責任をいかに正しく全うできるかにつき深く考えさせられる一冊となった。

井野貴章 PwCあらた監査法人代表執行役 

◆働く人の資本主義(出光佐三/春秋社)

時代が求める持続的な利益をどう生み出すか。人的資本の所有者は会社ではない。働く人の情熱こそが価値を生む。「海賊」がたどり着いた「試験管の中で試された力」。初版の半世紀前から世界はどう進歩したのか、自分の役割とは何か。夏の夜に内省し、心が静かに熱くなった。

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